こんにちは、こつこつ配当パパです。
本日は、日本株の中でも配当利回りが高く、しかも国家戦略に組み込まれているというちょっと特殊な存在——INPEX（1605）を深掘りします。
皆さんは「黄金株（おうごんかぶ）」ってご存じですか？
INPEXはこの黄金株を日本政府が保有している、数少ない企業の一つ。
つまり、日本のエネルギー安全保障と密接に関係している企業なんです。
「資源株って不安定そう」「でも配当は魅力的…」という方に向けて、INPEXのキャッシュフロー・財務・配当政策・黄金株の意味まで、一歩踏み込んで解説していきます。
1. INPEXってどんな会社？
INPEXは日本を代表する資源開発企業で、原油や天然ガスを海外で探し、生産・販売している会社です。
中東、オーストラリア、東南アジアなど世界中に資源権益を持ち、天然ガス（LNG）の供給拠点としては豪州イクシスが有名です。
2. 配当利回りと配当方針
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価（2025年6月） | 約2,000円 |
| 年間配当 | 90円（予想） |
| 配当利回り | 約4.4% |
| 配当性向 | 約25% |
| 年平均増配率（10年） | 約17% |
| 配当政策 | 累進配当（中期計画） 総還元性向50％以上（現在は約30%で余力あり） 出典 |
- 利回りは4%前後と安定高水準、年平均増配率は17%
- 中期計画では累進配当を掲げ、配当性向にも余裕あり
- 資源価格次第で変動ありだが、近年は右肩上がり
3. 営業キャッシュフローとFCFの強さに注目
過去5年の営業キャッシュフローとマージン
| 年度 | 営業CF（億円） | 営業CFマージン |
|---|---|---|
| 2020 | 2,929 | 37.99% |
| 2021 | 4,455 | 35.80% |
| 2022 | 7,823 | 33.78% |
| 2023 | 7,881 | 36.41% |
| 2024 | 6,547 | 28.90% |
- キャッシュ創出力が非常に高い！
- 営業CFマージン30%超えを継続
4. フリーキャッシュフロー（FCF）利回り
| 年度 | FCF（億円） | FCF利回り（概算） |
|---|---|---|
| 2020 | ▲1,243 | – |
| 2021 | 3,147 | 約23% |
| 2022 | 2,471 | 約14% |
| 2023 | 4,680 | 約20% |
| 2024 | 3,643 | 約15% |
- FCF（自由なお金）も十分に確保
- 配当余力が高く、安定配当の裏付けあり
5. 財務の健全性：安心して持てる資源株
| 年度 | 自己資本比率 | 有利子負債比率 |
|---|---|---|
| 2020 | 59.0% | 45％ |
| 2021 | 57.4% | 34％ |
| 2022 | 59.0% | 27% |
| 2023 | 62.5% | 20% |
| 2024 | 65.3% | 22% |
- 自己資本比率60%以上で非常に健全
- D/E比率も低く、借金に頼らない堅実経営
6. 黄金株とは？INPEXにしかない特殊な構造
INPEXを語るうえで欠かせないのが「黄金株」です。
黄金株とは？
- 政府が保有する特別な1株
- 本社移転、吸収合併、資産売却などに拒否権を行使可能
- 外資や敵対的買収への安全装置
日本のエネルギー政策を担う企業として、国家による強い関与と監視が制度的に組み込まれているのです。
投資家にとってのメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ✔ 経営が安定しやすく、長期保有に向く ✔ 国家プロジェクトとの連携や支援が期待できる ✔ 社会的信用度も高い | ⚠ 政策優先となる可能性あり（民間企業としての自由度がやや制限） ⚠ 大胆なM&Aや構造改革はハードル高め ⚠ TOBや買収での株価プレミアムの恩恵はほぼ望めない |
7. こつこつ配当パパのINPEXポジション
私の中でINPEXは、「国家が後ろ盾の堅実な配当株」という位置づけです。
特に、安定収入がほしい子育て世帯にとって、外部環境に左右されにくいキャッシュフローと財務の安心感は大きな魅力です。
私は現在5株持っています。手元のキャッシュが不足しており、最近の株安には反応できていませんでした。。
8. 最後に｜安定と堅実さを求める配当投資家へ
INPEXは、「高配当」と「国家戦略銘柄」の両方を兼ね備えた、やや特殊な存在。
その黄金株は、私たち配当投資家にとってキャピタルゲインは控えめでも、配当と安心感というリターンをもたらしてくれます。
資源価格に左右されるリスクはあるものの、それを上回るキャッシュ創出力・財務体質・国家の関与がある。
「高配当 × 安心 × 長期ホールド」という軸で見ると、ポートフォリオの土台として非常に心強い銘柄です。
今後も、「家計とつながる投資」「実生活で使える配当金の活かし方」など、現実的な配当投資の視点で記事を書いていきます。
※投資判断は自己責任でお願いします。この記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄を推奨するものではありません
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