【最新版】2025年注目の高配当ETFベスト5|利回り・分配金・経費率を比較

銘柄分析

はじめに|2025年、注目の「高配当ETF」は?

株価変動に一喜一憂せず、毎月・毎年の配当を「収入」として受け取る。そんな配当投資を目指す方にとって、「高配当ETF」はリスクを抑えつつ安定収益を狙える強力な選択肢です。個別株よりもリスクが分散されており、運用の手間も少ないのが魅力。

この記事では、2025年の最新情報をもとに、特に注目度の高い高配当ETFを5本厳選し、利回り・分配金実績・経費率・構成銘柄・リスク面など多角的に比較していきます。

高配当ETFとは?|基本の整理

高配当ETFとは、「利回りが高い企業を中心に集めた上場投資信託(ETF)」です。高配当個別株への分散投資を、ETF1本で手軽に実現できる点が人気です。

以下、高配当ETFの主なメリットをまとめました。

メリットデメリット
分散投資により個別株特有の暴落リスクを軽減
自動的に銘柄入れ替えが行われるためメンテナンス不要
配当金(分配金)を定期的に得られる
米国ETFなら毎月配当型も多数
元本保証はない(株価の下落リスクあり)
利回りは変動するため、過去の実績は将来の保証ではない
一部ETFでは税制上の注意も必要

【2025年版】注目の高配当ETFベスト5

ETFを選定する基準として、以下の項目を重視しました:

  • 直近12か月の実績利回り
  • 分配金の安定性と過去実績
  • 経費率(Expense Ratio)の低さ
  • 信頼できる運用会社
  • ETFの時価総額(流動性の高さ)
ETF名利回り年平均増配率
(2019~2024)
分配頻度経費時価総額特徴
JEPQ11.4%N/A毎月0.35%591.64Bナスダック中心+オプション戦略
SPYD4.4%0.7%年4回0.07%30.44BS&P500高配当上位均等比率
HDV3.4%2.5%年4回0.08%154.84B財務健全企業限定構成
SCHD3.8%5.5%年4回0.06%75.73B増配企業+値上がり益も狙える新定番
VYM2.6%2.1%年4回0.06%114.85B超大型・超安定ETF

出典:JEPQSPYDHDVSCHDVYM

1. JEPQ(JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF)

投資戦略と仕組み

1. ナスダック銘柄中心の株式ポートフォリオ

  • 主に ナスダック100の構成銘柄 を中心に、グロース要素のある優良企業に投資。組み入れ銘柄TOP5は以下の通り。
銘柄シンボルウェイト
エヌビディア
マイクロソフト
アップル
アマゾン・ドット・コム
ブロードコム
NVDA
MSFT
AAPL
AMZN
AVGO
7.97%
7.45%
6.38%
4.92%
4.02%

2. カバードコール戦略を組み合わせ

  • 株を保有しつつ、株価の値上がり益を一部犠牲にして「コールオプション(買う権利)」を売る。これにより、オプションプレミアムという形で定期的なインカム(収入)が得られる。

分配金・利回りの推移

  • 分配金利回り:11.4%
  • 分配金はある程度ばらつきはあるものの利回りは10%程度を維持
配当(USドル)利回り
2025年1月
2025年2月
2025年3月
2025年4月
2025年5月
2025年6月
2025年7月
0.46
0.45
0.48
0.54
0.60
0.62
0.49
9.5%
9.7%
10.1%
11.1%
11.6%
11.6%
11.4%

出典:Investing

メリット、デメリット・注意点、どんな人に向いている?

JEPQのメリット、デメリット・注意点、どんな人に向いている?、を以下にまとめました。

メリット📊デメリット・注意点⚠️どんな人に向いている?👨‍👩‍👧‍👦
・毎月の安定した配当(キャッシュフロー向け)
・ナスダック中心の成長株ポートフォリオ
・インカムと資産成長を両立しやすい
・大手のJPモルガンが運用する安心感
・オプション収益は株価が上昇しすぎると限定的になる
・ナスダック銘柄中心のため、下落局面では価格変動が大きめ
・配当の一部は元本払戻し(ROC)が含まれることがあり、税務面で注意が必要(※2025年時点では控えめ)
・配当金を毎月得たい人(例:住宅ローン返済の足しに)
・高配当+グロースのバランスを取りたい人
・QYLDのような純粋なオプションETFではなく、本業の成長もあるETFを好む人

JEPQは当ブログで個別に分析しています。▶ JEPQの詳細記事はこちら

2. SPYD(SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF)

投資戦略と仕組み

1. S&P500構成銘柄のうち、利回り上位80銘柄を均等に組み入れ

  • 利回り重視の企業(公益、エネルギー、不動産など)が多く選ばれる。「均等比率」で組み入れられるため、特定企業に依存しない。割と有名な組み入れ銘柄は以下の通り。(2025年7月)
銘柄シンボルウェイト
AT&T インク
CVS ケアマーク
フォード・モーター
アッヴィ
ベライゾン・コミュニケーションズ
T
CVS
F
ABBV
VZ
1.6%
1.6%
1.5%
1.5%
1.4%

2. シンプルなインデックス運用

  • 銘柄選定ルールが明確で、定期的に入れ替えされる。アクティブ運用ではないため、低コスト&透明性が高い。
  • 分散性+高配当を両立させたETFだが、景気敏感なセクターが多めなのは注意点。

分配金・利回りの推移

  • 分配金利回り:4.4%
  • 分配金は比較的安定。
配当(USドル)利回り
2024年6月
2024年9月
2024年12月
2025年3月
2025年6月
0.49
0.46
0.55
0.42
0.50
4.5%
4.1%
4.3%
4.3%
4.5%

出典:Investing

メリット、デメリット・注意点、どんな人に向いている?

SPYDのメリット、デメリット・注意点、どんな人に向いている?、を以下にまとめました。

メリット📊デメリット・注意点⚠️どんな人に向いている?👨‍👩‍👧‍👦
・高配当銘柄に分散投資できる
・組入上限や比率が均等なので個別株リスクが小さい
・経費率がわずか0.07%と超低コスト
・運用がシンプルで、初心者にもわかりやすい構造
・景気敏感セクター(不動産・金融・エネルギーなど)が多いため、景気後退局面では価格変動大きめ
・配当の質より「利回りの高さ」重視のため、減配銘柄も入りやすい
・分配金は安定しているものの、値上がり益は小さめ
・配当利回りを重視したい人
・投資資金を均等に分散したい人
・アクティブ運用ではなく機械的なETFを好む人
・VYM・HDV・SCHD等と組み合わせて「分散強化」したい人

3. HDV(iShares Core High Dividend ETF)

投資戦略と仕組み

1. 財務健全性を重視したスクリーニング

  • モーニングスターの財務健全性評価を通過した企業のみを選定。「利回りの高さ」だけでなく、「企業の持続可能性」に注目。

2. 米国大型株を中心とした構成

  • 組入上位銘柄には、以下の通り大型のディフェンシブ性の高い銘柄が多い。(2025年7月)
銘柄シンボルウェイト
エクソン・モービル
ジョンソン・エンド・ジョンソン
アッヴィ
シェブロン
ホーム・デポ
XOM
JNJ
ABBV
CVX
HD
8.8%
6.1%
5.6%
5.6%
4.5%

分配金・利回りの推移

  • 分配金利回り:3.4%
  • 分配金は比較的安定。
配当(USドル)利回り
2024年6月
2024年9月
2024年12月
2025年3月
2025年6月
0.93
1.23
1.12
0.80
0.91
3.5%
3.4%
3.6%
3.4%
3.4%

出典:Investing

メリット、デメリット・注意点、どんな人に向いている?

HDVのメリット、デメリット・注意点、どんな人に向いている?、を以下にまとめました。

メリット📊デメリット・注意点⚠️どんな人に向いている?👨‍👩‍👧‍👦
・財務健全な企業に絞った質の高い高配当株ポートフォリオ
・景気変動に強いセクター(ヘルスケア・生活必需品など)が多い
・長期保有に適した安定配当ETF
・経費率0.08%と比較的低コスト
・分配利回りは他の高配当ETF(SPYDやJEPQ)よりやや控えめ
・組入銘柄が一部の超大型株に偏る傾向(トップ10で50%超)
・値上がり益は限定的で、成長株は少ない
・安定した配当収入を重視したい人
・長期・積立型の資産形成を目指す人
・VYMやSCHDとの併用で分散投資を強化したい人
・グロース株のボラティリティに疲れた人…

4. SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)

投資戦略と仕組み

1. 10年以上の連続配当支払い企業が対象

  • 財務健全性・配当成長率・ROEなどの複数指標でスクリーニング。「高利回り」よりも「高品質な配当」を重視する設計。

2. グロースと配当のバランス型ETF

  • 安定性と成長性の両方を兼ね備えた大型株中心の構成。組入上位銘柄は以下の通り。(2025年7月)
銘柄シンボルウェイト
テキサス・インスツルメンツ
コノコフィリップス・カンパニー
シェブロン
シスコ・システムズ
アムジェン
TXN
COP
CVX
CSCO
AMGN
4.3%
4.2%
4.1%
4.1%
4.0%

分配金・利回りの推移

  • 分配金利回り:3.8%
  • 連続増配傾向にあり、2024年の配当は右肩上がり。2025年はやや苦戦か。
配当(USドル)利回り
2024年6月
2024年9月
2024年12月
2025年3月
2025年6月
0.82
0.75
0.26
0.25
0.26
3.6%
3.5%
3.5%
3.7%
3.8%

※2024年12月以降の分配金額が以前に比べて減少しているのは、SCHDは2024年10月11日付で1株を3株に分割(株式分割)されたからです。

出典:Investing

メリット、デメリット・注意点、どんな人に向いている?

SCHDのメリット、デメリット・注意点、どんな人に向いている?、を以下にまとめました。

メリット📊デメリット・注意点⚠️どんな人に向いている?👨‍👩‍👧‍👦
・増配傾向が強く、配当の質が高い
・経費率0.06%という超低コスト
・値上がり益+安定配当の両方を狙える
・コロナショック級の暴落でも減配実績なし
・他の高配当ETF(JEPQ・SPYDなど)より利回りは控えめ
・2024年には構成銘柄の入れ替えによる一時的な値下がりあり
・配当目当てだけで買うと期待利回りが低く感じることも
・長期で増配+資産成長を狙いたい人
・QYLDやJEPQのような高配当ETFに偏りすぎている人
・配当金+値上がり益を両取りしたい人
・初心者〜中級者の「メインETF」として

5. VYM(Vanguard High Dividend Yield ETF)

投資戦略と仕組み

1. 米国の高配当大型株を広く網羅

  • 米国企業の中から、市場平均以上の配当利回りを持つ大型株を選定。約450銘柄に分散されており、特定企業への偏りが小さい。組入上位銘柄は以下の通り。(2025年7月)
銘柄シンボルウェイト
ブロードコム
JPモルガン
エクソン・モービル
ウォルマート・ストアーズ
プロクター・アンド・ギャンブル
AVGO
JPM
XOM
WMT
PG
5.8%
3.9%
2.4%
2.2%
2.1%

2. グロースと配当のバランス型ETF

  • 金融・生活必需品・ヘルスケア・エネルギーなどを中心に分散投資。景気循環・ディフェンシブ両方にまたがる安定型の配当ETF。

分配金・利回りの推移

  • 分配金利回り:2.6%
  • 分配金は年々増加しており、増配傾向も確認される。2025年はやや苦戦か。
配当(USドル)利回り
2024年6月
2024年9月
2024年12月
2025年3月
2025年6月
1.02
0.85
0.96
0.85
0.86
3.0%
2.8%
2.8%
2.8%
2.7%

出典:Investing

メリット、デメリット・注意点、どんな人に向いている?

VYMのメリット、デメリット・注意点、どんな人に向いている?、を以下にまとめました。

メリット📊デメリット・注意点⚠️どんな人に向いている?👨‍👩‍👧‍👦
・超低コスト(0.06%)ながら高度な分散投資が可能
・純資産総額600億ドル超で、流動性も高い
・配当金の安定性が高く、長期保有向き
・セクターの偏りが少なく、相場に左右されにくい
・他の高配当ETF(SPYD・JEPQ)よりも利回りは控えめ
・増配ペースは緩やかで、爆発力には欠ける
・配当目当ての投資に限定すると物足りなく感じる可能性も
・長期・堅実に資産形成したい人
・初心者〜中級者で「とりあえず1本選ぶなら」という人
・SPYDやHDVと組み合わせて分散を強化したい人
・積立投資やiDeCoなど、制度利用との相性も重視したい人

まとめ|2025年、注目の高配当ETF

以下に、これまで説明した「2025年、注目の高配当ETF」を以下にまとめます。皆様の参考となれば幸いです。

銘柄まとめ
JEPQ「高配当×グロース」を実現する数少ないETFです。
特に、株価成長も狙いつつ、毎月の配当収入を得たい方にとって非常に魅力的な選択肢です。
SPYD「S&P500の高配当株」に機械的に投資するシンプルなETFで、利回り重視の投資家にとって魅力的な選択肢です。ただし、景気の影響を受けやすいセクター構成には留意が必要です。
HDV「堅実な配当を長期的に受け取りたい投資家」にとって、非常に優れたETFです。高配当の中でも、守り重視・配当の質重視のスタンスを取る人にはぴったりです。
SCHD「成長する配当株」の集合体。利回りだけでなく配当の「質」と「伸び」に注目したい人に最適です。安定感と実績があり、インデックス投資家にも支持される優良ETFです。2025年より楽天証券・SBI証券で投資信託として投資できるようになりました。
VYM「高配当ETFのスタンダード」として広く使われている超定番商品。リスクを抑えながらも安定した配当を得たい人にとっては、非常に心強い選択肢です。
特に、「投資のメインとして使えるETF」を探している方におすすめです。

※本記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではなく、筆者個人の経験と考えに基づいた情報提供を目的としています。投資に関する最終的な判断は、ご自身の状況や目的に合わせて慎重に行っていただくようお願いいたします。


コメント

タイトルとURLをコピーしました